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一目でわかる中国☆ 国際税務教室 Vol.198 リモートでする!今様の中国子会社内部監査(その3)

上海ユナイテッドアチーブメント コンサルティング 代表 公認会計士・税理士 鈴木 康伸

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まず内部監査のゴールを決めよう。対象会社が“あるべき状態”で運営管理されていることを検証確認するのが内部監査のゴールといえるだろう。“あるべき状態”とは“会計,税務,法務,内規に基づき業務が遂行されている状態”を指す。

前提条件としては,対象会社が重大なリスク(不正事案)を抱えていないこと,であり,事前にリスクがあると分かっている会社に以下の内部監査手続を適用実施しても,結果は意味のないものとなるだろう。特にリモート監査では現地協力者は必須であり,先ずは対象会社の管理系スタッフ,地域統括会社などのグループ内スタッフに手足となって協力してもらわなければ実務は回らない。適材がいなければ会計事務所等の外部スタッフを起用するしかないが,足回りサポートが中心なのでハイスペック人材は不要だろう。ZOOM,TEAMSなどの会議ソフトやFACETIME,ウィーチャット動画などを駆使して,在庫棚卸,資料閲覧,IT統制(アクセス管理)など目視確認を行う。

A)ガバナンス系の内部監査

内部監査は大きく分けてガバナンス系の監査(業務監査)とファイナンス系の監査(会計監査)に分かれる。まずはガバナンス監査をみてみよう...