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2021年12月にOECDから公表されたGloBEモデルルールの概説と今後の展望

KPMG税理士法人 パートナー 河崎 元孝
KPMG税理士法人 シニアマネジャー 河﨑 嘉人

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1.はじめに

デジタル化とグローバリゼーションという大きな変化が100年以上も続いてきた国際課税の枠組みへの挑戦をもたらし,BEPS(Base Erosion and Profit Shifting/税源浸食と利益移転)の機会を生み出したとされ,OECDとG20諸国が協力して2015年11月にBEPS行動計画に関するパッケージが公表された。また,OECD及びG20諸国はBEPSへの対応について継続的に協力していくことに合意してInclusive Framework(BEPS包摂的枠組み)を創設し,BEPSへの継続的対応に関心を有する多くの国や地域がInclusive Frameworkに参加するに至っている。

そしてOECD/G20 BEPS Projectは,2021年10月8日,135以上の国・地域がいわゆるBEPS2.0のPillar OneとPillar Twoに関する新制度について合意したことを「Statement on a Two-Pillar Solution to Address the Tax Challenges Arising from the Digitalisat...