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国際税務の相談室☆外国子会社合算税制 外国子会社合算申告をしていない事業年度に係る欠損金額の控除

 税理士 橋本 秀法

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Q

当社は内国法人です。当社は5年前に海外に100%子会社X社を設立し、同社の事業を当社で管理し運営しています。また、X社の所在する国は法人税の基本税率が17%の軽課税国です。

このような場合には、X社は 措置法66の6 (いわゆる外国子会社合算税制。タックス・ヘイブン税制やCFC税制とも呼ばれています。)に規定する対象外国関係会社に該当するということ( 措法66の6 ②三)及びX社の所得は当社の収益とみなして当社の益金の額に算入(合算課税)しなければならないこと( 措法66の6 ①)を最近知りましたが、これまでは当社の法人税申告においては、何らX社の所得等を考慮せず、別表17(3の8)《特定外国関係会社又は対象外国関係会社の適用対象金額の計算に関する明細書》など外国子会社合算税制に係る別表は一切添付しておりませんでした。

これまでX社は設立以来赤字でしたが、5期目となった今期(2021/1/1~2021/12/31)から所得金額が発生するようになりました。

このようなことから、当社の当期(2021/4/1~2022/3/31)における法人税確定申告では、X社の所得を当社の益金として合算課税するのですが、その場合、今まで申告をしていなかったX社の過年度の欠損金額をX社の2021年12月期の所得から控除することは認められるでしょうか。

A

過年度において外国子会社合算税制における欠損金額の繰越しに係る申告をしていなかったとしても、過年度(7年以内)におけるX社の欠損金額は、原則として同社の今期の基準所得金額から控除したところで合算課税が行われます。

解説

1 課税対象金額の計算

外国子会社合算税制においては、...