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クロスボーダー事業再編に係る移転価格 第4回(最終回) 海外販売子会社を通じた商流変更と移転価格

ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業) カウンセル 石川 敏夫

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本シリーズではこれまで、 第1回 では再編に係る移転価格の基本的な考え方、 第2回 ではモデル事例を用いてM&A後の被買収企業との統合に係る移転価格上の問題点とその重要性、さらに 第3回 では費用分担契約及び所得相応性基準を中心に、国境を越えたグループ間の研究開発活動の再配置について解説してきた。

既に述べてきたように、昨今の日系企業の海外進出、とりわけ中国や東南アジア諸国の経済発展によってもたらされたアジア地域でのマーケットの拡大に伴い、日本の多国籍企業はその状況に最も効率的に適応し得るビジネス形態を採用すべく、国外に所在する関連企業を取り込んでのグループ内事業再編(クロスボーダー事業再編)を実行する事案...