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税務部・経理部も知っておくべき 関税・特恵税率活用の基本 第5回(最終回) 「税関の事後調査の基本の流れ、留意すべき点など」について

公益財団法人日本関税協会 教育・セミナー部長 長谷川 実也
 調査研究部長 松本 敬

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1.はじめに

前回 までに、EPAの原産地規則を構成する3つの規定、すなわち、産品がEPAの特恵税率の対象である原産品か否かを判断するための「①原産地基準」、及び、原産地基準を満たし原産品となった産品が、輸出国から輸入国への運送途中で原産品としての資格を失っていないかどうかを判断するための「②積送基準」について説明しました。今回は、もう一つの規定である「③手続的規定」のうち、EPAの特恵税率の適用を受けた後に、輸入国税関によって事後に実施される確認の手続き(輸入事後調査及び検証)及びその対応に当たって留意すべき点について説明します。

2.税関からの事後の確認(輸入事後調査、輸入国税関からの検証)の手続き

本連載の第3回「 EPA特恵税率適用の基本的な流れ 」のステップ9(税関からの事後の確認(輸入事後調査、輸入国税関からの検証)への対応)で、ステップ6で作成された 原産地証明が正しいかどうかについて、輸入国税関から事後の確認が行われる場合がある と説明しました。

ステップ7で述べたように、輸入国でEPA特恵税率の適用を受けるためには、輸入者が原産地証明を輸入国税関に提出することによって特恵待遇(すなわち...