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TP Controversy Report〈60〉 移転価格事務運営要領の一部改正について

EY税理士法人  竹内 茂樹

( 108頁)

本年6月10日付で「移転価格事務運営要領」が一部改正されました。今回の改正は、主に金融取引と費用分担契約(CCA)に係るもので、これらは、2020年にOECDで承認された「金融取引ガイダンス」を受け、本年1月に公表された「OECD移転価格ガイドライン2022年版」に対応するものです。特に金融取引については、従来、事務運営要領で、貸手のリスクプレミアムに基づく金利設定が多くの場合認められてきたのに対し、新たな事務運営要領では、借手のリスクプレミアムに基づき、市場で成立する金利に近いものを算定することがデフォルトとされています。これは、従来からの我が国での取扱いを大幅に変更するものです。借手のリス...