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一目でわかる中国☆ 国際税務教室 Vol.205 印紙税法あれこれ

上海ユナイテッドアチーブメント コンサルティング 代表 公認会計士・税理士 鈴木 康伸

( 84頁)

「領収書2枚にしとくわね、5万超えると印紙 貼らなきゃいけないのよ」といわれるあれである。

私は公認会計士成りの登録税理士なので印紙税法を詳しく勉強してきたわけではないし、そもそも税理士試験科目にも印紙税法はないので、実は印紙税の専門家って世の中にそんなにいないのではないだろうか、と思ったら、印紙税検定 というのがあった。土地売買など契約行為に紐づけられる税目であり、どちらかというと弁護士の領域らしい。

とはいえ税と名がつく以上、やはり税理士は質問を受けるわけで、ちょうど良い機会なので印紙税の立法趣旨、各国の税制(もちろん中国も含めて)を調べてみた。

"預金通帳をデジタル通帳に切り替えると千円キャッシュバック!"とは、多くの銀行で行われている業務のデジタル化推進の一環であるが、預金通帳に貼る年200円の印紙が浮くからでもある。領収書にせよ預金通帳にせよ、つまりは"紙に貼る"ものが印紙(税)の骨格にある。

起源を辿るとオランダでは、1694年に戦費捻出のために始まり、イギリスでは1694年に植民地アメリカの新聞、出版物、証書、許可証、トランプ3などあらゆる紙媒体を課税対象にしたために独立戦争の発...