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国際税務研究 外国法人の日本子会社が解散して残余財産の現物分配をする場合

青山学院大学 名誉教授 渡辺 淑夫

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設例

1 日本法人であるA社は、世界的規模で各種の事業を展開しているB国法人であるC社が100%出資するその完全子会社で、ここ20年余りにわたり、日本をはじめ、経済発展の著しい中国を中心とする東南アジア太平洋地域において事業展開しているC社グループ各社を統括する重要事業拠点として目覚ましい業績を挙げ、同グループ全体の業容拡大と業績の維持向上に資するところ極めて大なるものがあったが、新型コロナウイルス禍のパンデミックに始まった世界経済の長期的混乱に加えて、ロシアのウクライナ侵攻問題やこのところの中国経済の減速に基因する輸出低迷、資源価格の高騰、人手不足の深刻化、さらに最近の急激な円安問題などの各種...