第2の柱における各国の実効税率、トップアップ税額の計算方法のポイント・留意点
PwC税理士法人 国際税務・ディールズタックス・グループ ディレクター 塩田 英樹
シニアマネージャー 池田 太将
はじめに
デジタル経済課税の第2の柱に関するOECDのモデルルール及びコンメンタリーが公表されて、半年以上が経過している。その対応についてすでに検討を進めている会社もあれば、まだ制度の理解、検討方法や実施時期を含めて模索中という会社も少なくないであろう。
本稿執筆時点で日本におけるGloBEルールの適用時期は公表されていないものの、欧州などの動きと平仄を合わせるとすると、2024年以降に開始する事業年度、すなわち12月決算法人は2024年12月期、3月決算法人は2025年3月期が適用初年度と想定され(※本号の発行時には、適用時期が公表されている可能性がある旨ご留意いただきたい)、そこから逆算すると準備期間については今から検討を初めても、決して早すぎるということはないことが見えてくる。
本稿では、OECDモデルルールを念頭に制度の概要について、特に日本のCFC税制とGloBEルールに係る計算方法等の比較をすることでわかりやすく解説し、それを踏まえて実務的な対応及びその留意点について説明する。
本稿の意見は筆者の個人的見解である旨を申し添える。また本稿は2022年10月時点のGloBEルールの動向を踏まえて執筆しているもので、その後の制度の動向によっては内容が異なる可能性がある旨をご留意いただきたい。
1 GloBEルールの制度概要と税額計算におけるポイントと留意点
1.GloBEルールの制度概要...