※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

令和5年1月適用 国外居住親族に係る扶養控除等について

デロイト トーマツ税理士法人 グローバルエンプロイヤーサービス 税理士 飯塚 信吾

( 52頁)

国際的な人的移動が活発となり、国外に居住していた個人が親族を本国に残し来日し日本で勤務を行う場合や、日本に居住している個人の子弟が国外へ留学する場合など、国外に居住する親族を扶養控除等の対象とする事例も多くなっています。このような国外に居住する親族に関する扶養控除等(扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除又は障害者控除)の適用については、居住者である親族を扶養控除等の対象とする場合とは異なる取扱いが定められていますが、令和2年度の税制改正においてさらに国外居住親族の扶養控除について改正が行われ、令和5年1月1日から適用されます。そこで、本稿では国外居住親族に係る扶養控除等の制度の概要、令和5年1月1日から適用される改正の概要、国外居住親族に係る扶養控除等の適用に当たり留意すべき点などを解説します。

1.現行制度(令和4年12月末まで)

(1)国外居住親族に係る控除対象扶養親族等

居住者の親族1等のうち合計所得金額が48万円以下である者を所得税法では扶養親族とし、この扶養親族のうち16歳以上の者を「控除対象扶養親族」(この内19歳以上23歳未満の者を特定扶養親族)として原則的に38万円2を所得か...