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TP Controversy Report〈64〉 移転価格調査の現状アップデート(ポスト・コロナ)

EY税理士法人  竹内 茂樹

( 73頁)

はじめに

政府・自治体によるコロナ関連の緊急事態宣言や各種措置が治まりをみせ、国税局は従来の動きを取り戻しました。一方で、コロナ期間中に導入又は施行が開始された制度、加えて当局の新たな執行の動きもあります。新興国においてもコロナ関連支出で財政が悪化し、外資系企業(日系企業海外子会社)に対する調査は、CbCRやマスターファイルによる情報充実も相まって、今後激しさを増すと予想され、それに応じる形で我が国での移転価格調査の頻度もアップすると想定されます。

今回のレポートでは、コロナ以前には見られなかった新たな動向を中心に、我が国での移転価格調査を取り巻く状況を簡潔にアップデートして報告したいと思います。...