※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

一目でわかる中国☆ 国際税務教室 Vol.210 2023年度の中国税務を占う

上海ユナイテッドアチーブメント コンサルティング 代表 公認会計士・税理士 鈴木 康伸

( 108頁)

年初にあたり先ずは昨年度の中国経済と税収について概観してみよう。

昨年度の中国GDP(名目)は121兆元(18兆米ドル)に達し、成長率は鈍化したものの3%を維持したと報道にある。日本の名目GDPは米ドル換算約5兆米ドルなので3.6倍の開きだ。一方、一人当たりGDPは日本が約4万ドル、中国は1.2万米ドルなのでこちらは逆に3倍超の開きがある。ここは数字だけの確認として分析は経済専門家に任せよう。

次に22年度の中国税収。本稿執筆時点では旧正月期間につき22年度の税収が公表されていないから11月までの累計を年換算して比較することとしよう 。ちなみに21年度の実績値は11ヶ月累計の年換算値を3%下回っていた。22年度の実績値も換算値より低く出るかもしれない。

1998年度から2013年度までほぼ毎年二桁成長してきた税収は2014年度から鈍化し、2020年度にマイナス成長を記録した。21年度は二桁成長となったが、22年度は再びマイナス成長となる可能性がある。

個々の税目をみてみよう。コロナ禍・ロックダウンで流通網が分断されたからか国内増値税は大幅にダウンとなりそうだ。国内消費税は酒タバコ、宝石化粧品、...