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各国の税務申告書を読み解く ~ 日本の税務申告での留意点~ タイ編

SCS国際税理士法人 税理士 中瀬 和正
Invictus Consulting(Thailand)Co.Ltd. 公認会計士(日本) 田村 陽一
Invictus Consulting(Thailand)Co.Ltd. 公認会計士(米国、非登録) 三宅 志英

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はじめに

連載4回目は、タイ編です。タイの税務申告書は基本的にタイ語で作成されるため、日本の税務担当者が申告内容を正確に理解するには言語的障壁があります。一方で、タイの法人税率は原則20%ですが、製造業では税務恩典を利用していることも多く、その他何らかの理由で租税負担割合が20%未満となって部分対象外国関係会社に該当することも充分にあり得る国のひとつでもあります。

本稿では日系の製造子会社を想定した設例を用いて、タイの決算書及び税務申告書の概要を解説します。

法人税申告書の記載にあたっての基本情報

1.法人税率

タイの法人税率は20%です。ただし、払込済資本金500万THB以下かつ売上が年間3,000万...