[全文公開] 編集室だより
◆デジタル課税関係(第2の柱/所得合算ルール(IIR))に係る法律を盛り込んだ令和5年度税制改正法案が成立する見通しです(3/23時点)。今月号では、財務省の小宮敦史国際租税総括官に「 グローバル・ミニマム課税の国内法制化 」のテーマでご寄稿いただきました。記事内では所得合算ルールに関する政省令については公布の時期を通例の3月ではなく後ろ倒しとしていること、また今後の見通しとして、「第2の柱」に係る紛争防止・解決メカニズムについて新たな多国間条約の策定に向けた議論が行われる可能性があることなどが示されています。(Y.Y)
◆令和5年度の税制改正で導入されたグローバル・ミニマム課税は、令和6年4月1日以後開始対象年度から適用されますが、制度導入当初には、一定の基準を満たした国については詳細な計算を省略することができる経過措置(セーフハーバー)が設けられています。本誌制作時点では、OECDが昨年12月に公表したセーフハーバー等に関するガイダンスや、令和5年度税制改正法案の附則の中でその内容が示されており、経過措置に該当するかの判断・計算方法に注目が集まっています。今月号掲載の特集「 国際最低課税額に対する法人税に関する経過的セーフハーバー 」では、令和5年度税制改正法案と、OECDガイダンスとの双方の内容を踏まえ、このセーフハーバーの仕組みについて解説・検討を行っていますので、是非ご一読下さい。(A.K)
◆1月からスタートした新連載「租税事件の論点からアプローチする実務国際課税」では、税務訴訟などの事例を題材に、裁判所等の判断の枠組みとその射程範囲の分析に加え、実務上の観点から論点を抽出して検討を行って実務への影響と対応等を解説しています。 1 ・ 2月号 ではCFC課税事件、 3 ・ 4月号 では、平成27年最高裁判決の「米国LPS事件」と「米国LPSを通じた年金基金投資と租税条約の適用」についてとりあげています。(S.N)
◇次号(2023年5月号)
・最近の相互協議の状況について
・BEPS2.0 各国での法制化の状況と日本企業における実務の留意点
※掲載内容は変更となる場合があります。