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実例で学ぶ 外国人雇用と海外出向者にまつわる税務・給与・社会保険 第152回 海外出張に関するよくある相談Q&A その1

EY税理士法人 税理士 藤井 恵

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3年近く続いたコロナ禍も収束に向かいつつあり、海外出張件数がコロナ前と同水準に近くなっている企業も増えています。そこで本稿では今回から数回に分けて、海外出張に関するよくある問い合わせや知っておきたいことを、税務面を中心にQ&Aにまとめました。

Q1  コロナ禍発生前後で海外出張に関するリスクについて何か変わったことはありますか?

コロナ禍を通じて、「リモートワーク」という概念がより一般化し、リモートワークで解決する仕事も実際はかなり多くあることがわかりました。また、コロナ前に比べて便数が減ったうえ、大幅に高くなった航空運賃の影響も受け、海外出張関連費用は以前にも増して高くなっています。そのため、「海外出張が本当に日本本社のための業務であるのか」、「現地法人のための業務であれば、現地法人に負担させるべきだろう」と、税務調査においても海外出張の内容や目的がより細かく確認される可能性が生じると思われます。

また各国とも、外国人の入国が減っているため、外国人に関する調査件数も減っていることから、一人一人の入国目的や滞在期間について以前より細かくチェックする可能性があります。さらに各国間の情報交換は年を...