中村 稔・国税庁長官官房審議官インタビュー 『国税庁の国際分野での取組』
国税庁 長官官房審議官(国際等担当) 中村 稔
(問1) 国際的な課税問題の解決に向けた各国税務当局との協力の枠組みについて、現在の状況や動向等についてお聞かせください。 |
本日は、国税庁における最近の国際協力の状況などについて、紹介いたします。
企業等による経済活動のグローバル化を背景として、近年、国際的な二重課税及び国際取引や海外資産を利用した脱税・租税回避行為といった国際課税分野の課題への関心が世界的に一層高まっています。こうした中で、BEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)プロジェクトを始めとする国際的な議論・枠組みの整備の進展等に伴い、税務当局間の国際的な協力関係が一層の進展を見せています。
また、新型コロナウイルス感染症の問題は、引き続き我が国だけでなく世界中の税務当局に影響を与えており、税務当局間での知見の共有なども図られています。
(1) 国際課税ルールの見直し
経済のグローバル化及びデジタル化によるビジネス形態の変化に伴う国際課税上の課題への対応について、OECDやG20を中心に国際的な議論が行われ、令和2年10月の「青写真(Blue Print)」公表、令和3年7月の14...