※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

国際税務研究 タックス・ヘイブン子会社株式の名義貸しの廃止に伴う既往の合算課税及び外国税額控除の自主的な是正措置

青山学院大学 名誉教授 渡辺 淑夫

( 108頁)

設例

 日本法人であるA社は、世界各国に多数の外国関係会社を有しているが、その中にはタックス・ヘイブン国の会社で合算課税の対象となるものも何社か含まれている。

これらの外国関係会社の設立時期や設立目的、設立経緯、投資金額、持株数などは、それぞれの外国関係会社ごとに一様ではなく、特に設立時期の古いものについては、時の経過とともに設立目的や設立経緯などの設立当時の諸事情の記憶が薄れ、現に会計帳簿に継続的に記録されている事項以外の事項に関する事実認識が明らかでなくなっているものが多く、時として当時の事情に うと い現在の担当役員その他の会社幹部を困惑させる事態が生ずることも決して少なくない。

現にA社でも...