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国際税務研究 居住外国人と同性婚をしていた居住日本人が死亡した場合の相続税関係

青山学院大学 名誉教授 渡辺 淑夫

( 120頁)

設例

 日本人男性として日本で生れ育ったA氏は、30年程前に留学先のB国で知り合ったB国人男性であるC氏と恋愛関係となり、その後現地で正式に結婚して同性婚(same sex marriage)のカップル(配偶者)となった。

両氏が暮していたB国のD州では、早くから同性婚も異性婚と同じ法律的権利を有する婚姻として認められているため、両氏も正式の婚姻関係のカップルとなったのであるが、同地で15年程前まで暮していたところ、A氏の仕事の関係でC氏と共にA氏の生まれ故郷である日本に移住し、日本で生活するようになった。なお、C氏は日本の大学の研究者として日本での長期在留資格を有する居住者であり、また、その後...