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TP Controversy Report〈73〉 海外子会社等への出向と較差補填

EY税理士法人  竹内 茂樹

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はじめに

税務調査の開始時に要請される資料には、必ずといってよいほど、海外子会社等への出向状況に係る情報が含まれています。

出向に係る較差補填については、 法人税基本通達9-2-47 で損金算入が認められているものの、調査の場面で、その全部又は一部について「国外関連者に対する寄附金」ではないのかといった議論に遭遇する場合があります。こういった場合で議論が水掛け論に終始しないように、今回は、この問題がどのように整理されるかについてレポートしたいと思います。

1 寄附金とされるためには「経済的利益」が必要( 法人税法37条 )

「国外関連者に対する寄附金」は、措置法66条の4第3項でその全額が損金不算入とされ、「...