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NEW ケーススタディ 国際相続の実務

 税理士 鈴木 美晴

( 112頁)

設例

私Aの妹Xは、アメリカのカリフォルニア州に30年住んでいましたが、今年の8月に亡くなりました。妹Xには配偶者及び子供はおらず、また両親は他界しているため、相続人は私A、姪B、甥C、甥D、姪E、甥Fの6名で全員日本国籍かつ日本在住です(下図)。なお、妹Iは、生前に姪B及び甥Cと普通養子縁組をしていました。今回、妹Xの相続開始に当たり、遺言書やトラストの設定はありませんでした。妹Xは日本で生まれ日本国籍を所有だったのですが、アメリカへ渡った後にアメリカ国籍を取得しており、日本国籍は喪失しています。遺産はアメリカの銀行に預金9億円のみで、債務はありませんでした。アメリカでの米国連邦遺産税や州の相...