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[全文公開] 編集室だより

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◆昨年12月14日、「令和6年度税制改正大綱」が決定されました。令和5年度改正で創設されたグローバル・ミニマム課税(「第2の柱」)については、令和6年度においても、OECDガイダンスなどを踏まえた明確化等の観点から引き続き改正を行うとされ、QDMTT(国内ミニマム課税)など議論の残る項目については令和7年度以降の法制化を検討するとされました(QDMTTセーフハーバーは導入予定)。今月号の特別解説「 BEPS 2.0実務対応と本年度税制改正 」では、グローバル・ミニマム課税への実務対応の考え方と、令和6年度税制改正大綱で示された改正事項を概括し、今後の見通しを解説していただきました。12月号の「 BEPS 2.0の最新動向 」とあわせてご覧ください。(S.N)

◆移転価格課税リスクを回避する手段としては、適切な相場観に基づくプライシング・コントロールを実施した上での文書化や事前確認が挙げられますが、どのような局面でそれらを選択するかについては課税リスクやコストなどを勘案しながら企業それぞれが判断していくことになります。今号の解説記事では、税理士の石井徹先生(元東京国税局)に、移転価格リスクに応じた事前確認や文書化対応の選択をするための検討項目やポイントについて整理していただきました。実務における選択・判断の一助となりましたら幸いです。(Y.Y)

◆本誌連載の「 BEPS2.0各国の法制化状況と日本企業における留意点 」第8回のベトナムでは、ベトナムがQDMTT・IIRの導入を決定したことなどを解説しています。海外各国でQDMTTが導入されるかどうかは、グローバル・ミニマム課税の対応に大きく関わるため、その動向が注目されています。また、実効税率の計算では、現地の「優遇税制」がどのぐらい実効税率を引き下げているか、そして各国の優遇税制がこれからどのように変化していくかも、今後の企業の税務戦略に影響を与えることになります。国際税務データベースでは、アジア10か国の優遇税制に係る情報をP会員・R会員限定情報としてお届けしていますので、そちらも是非ご参照下さい。(A.K)

◇次号(2024年2月号)

・令和6年3月期タックスヘイブン税制の申告実務

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