※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

国税庁長官官房審議官インタビュー 国税庁の国際分野での取組~国際課税制度の見直しやCRSに基づく自動的情報交換等~

国税庁 長官官房審議官(国際等担当) 中村 稔

( 12頁)

(問1) 経済のデジタル化に伴う課税上の課題への対応が注目されています。グローバル・ミニマム課税(第2の柱)につきまして、現在の状況や動向等についてお聞かせください。

(答)

経済のグローバル化及びデジタル化に伴うビジネス形態の変化が進む中で、経済実態を反映した国際課税制度の見直しが議論され、令和3年10月、OECD及びG20のBEPS包摂的枠組み(IF:Inclusive Framework)で、第1の柱と第2の柱からなる合意が取りまとめられました。

このうち、第2の柱は、いわゆる法人税の引下げ競争に歯止めをかけること等を目的として、年間総収入金額が7億5千万ユーロ以上の多国籍企業を対象に、実効税率が最低税率(15%)を下回る国における最低税率での課税を確保するグローバル・ミニマム課税を導入するもので、我が国では、令和5年度税制改正において、基本のルールである所得合算ルールが法制化されました(各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の創設)。この制度は本年4月1日以後に開始する対象会計年度から適用され、令和5年9月に法人税基本通達を改正し、同年12月にQ&Aを作成・公表しました。また、同...