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令和6年度における国際課税分野の改正が見込まれる事項

 税理士 川田 剛

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はじめに

年末の恒例行事となっている与党の「税制改正大綱(令和6年度)」が、令和5年12月14日に公表された。

今回の改正の目玉は、長引くデフレからの脱却とわが国の成長力確保に向けた構造改革である。

これまでの例をみても、大綱で示された事項の大部分は、ほとんどそのままの形で翌年度の税制改正に反映されている。換言すれば、本大綱はそれくらい重要なものである。

そこで、以下では、「令和6年度税制改正大綱」において示された事項のうち、国際課税分野において改正が見込まれる事項について紹介する(編注:以下の枠カコミ内は税制改正大綱より抜粋)。

なお、令和6年度改正のうち国際課税関係の改正については、昨年度に行われた改正の一部見直しや手続き規定の見直しなど、技術的な部分が大宗を占めているが、デジタル化に伴う課税上の問題への対処など具体的改正事項も含まれている。

この記事が出る頃には、改正の具体的な内容が盛り込まれた税制改正法案が国会に上程されていると思われるが、ここでは与党の改正大綱レベルのものについて紹介する。

一 大綱 「第一 令和6年度税制改正の基本的考え方」で示されている国際課税分野の改正に関する基本的方...