[全文公開] 編集室だより
◆海外現地において、時に予想外の課税を受けたという声を、弊紙読者の皆様からも聞くことがあります。そこで本号では特集の一つとして「 日本企業が進出先国で経験した国際課税問題等 」を掲載し、国際的な二重課税の原因となるような課税事案などが発生した国・地域や、発生した課税事案の内容、その対応状況などに係るアンケート結果のほか、海外現地で発生したよくある課税事例について解説しています。また、今回はグローバル・ミニマム課税への対応等に係るアンケート結果内容も掲載しています。海外現地で起こっている課税事案の最新動向等の把握に役立つ内容となっていますので、皆様の対応の整理のためにも、是非、ご一読下さい(A.K)。
◆ ドメスティックニュース でも既報のとおり、各府省庁からの令和7年度税制改正要望が出揃い、財務省HPで公表されています。金融庁からは、「国際情勢を考慮した国際租税に係る所要の措置」が要望されました。租税条約の一部条項が相手国において停止されたことにより、実質的に租税条約の適用が受けられない場合に生じる外国税額について外国税額控除の対象とする、というものです。2023年8月には「ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻で対ロ制裁を科している日本や米国、欧州諸国との間の租税条約の一部条項を停止するための大統領令に署名した」旨の報道がありました。こうした国際情勢を考慮した措置と思われます。なお、 本誌2024年5月号 の国際税務の相談室(「日ロ租税条約の一部条項の停止と外国税額控除の取扱いについて」)でもこの論点を取り上げています。(Y.Y)。
◆全4回シリーズで連載していた「 国際税務紛争を解決するための視点・論点 」が今号で最終回となります。今号のテーマは「タックス・ヘイブン対策税制に関する最高裁判決の整理を通じて得られる実務上の視点」で、タックス・ヘイブン対策税制に関して下されてきた複数の最高裁判決について、整理・検討を行っています。本シリーズでは、国際税務紛争への対応におけるいくつかの手続を選択する際の各手続きの特徴や留意点などを整理した内容から、移転価格に係る裁判例・裁決の論点整理まで、国際的な税務紛争に対応していくためのポイント・考え方を幅広く解説しています。国際税務DBではバックナンバーが閲覧可能で、初回から読むことができますので、今後の税務紛争等に係る事前・事後の対応の整理などのために、是非、本シリーズをご覧下さい(A.K)。
◇次号(2024年12月号)
・第100回記念 チャレンジ!移転価格税制
※掲載内容は変更となる場合があります。