※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです
日系企業のための海外子会社税務データ管理とガバナンス
PwC税理士法人 パートナー 白土 晴久
PwC税理士法人 パートナー 橋本 純
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1.はじめに
(1)本稿執筆の背景と目的
グローバル化が進む現代において、多国籍企業は複数の国や地域で活動を展開し、税務リスクやガバナンスの課題に直面しています。日本企業も例外ではなく、特に近年のOECD/G20「BEPS包摂的枠組み」による国際課税の強化は、日系企業にとって大きな影響を与えています。さらに、日本国内では、外国子会社合算税制、いわゆるCFC(Controlled Foreign Company)税制が従前から適用されており、日本の親会社は、海外子会社の税務データを精緻に管理し、報告する責任が増しています。
本稿の目的は、こうした新たな国際税務の動向に対応するため、日系企業が直面する課題とその解決策を明確にすることにあります。企業の持続的な成長を支えるためには、税務リスクの管理と効率的なデータ運用が不可欠であり、本稿がその実践に貢献することを期待します。
2.日系親会社と海外子会社の...