実務家のための消費税 輸入・輸出・内外判定Q&A 第244回 取引条件等による事業者向け電気通信利用役務の提供の判断
税理士 上杉 秀文
Q
国外事業者が特定プラットフォーム事業者を介して消費者向け電気通信利用役務の提供の対価を収受する場合には、当該特定プラットフォーム事業者が行う電気通信利用役務の提供として課税する制度が設けられています。国外事業者が提供する電気通信利用役務については、役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものを事業者向け電気通信利用役務の提供としてリバースチャージの対象とされ、これに該当するものはプラットフォーム課税の対象となりませんが、役務の性質から事業者向けに該当しないものでも取引条件等から事業者向けに該当するものが存在すると考えられます。例えば、主として消費者向けに提供するサービスについて、事業者が福利厚生用に購入するため法人名で申込み、法人名の口座から代金を引き落とすことの契約が成立した場合には、契約内容からみて事業者が使用することは明らかであり取引条件等からみた事業者向けに該当するように思われます。そうすると同じ電気通信利用役務の提供についてプラットフォーム課税の適用を受けるものと受けないものが混在し、消費税の課税関係が複雑になることになりませんか。 |
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「取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの」とは、取引当事者間において提供する役務の内容を個別に交渉し、その当事者間固有の契約を締結するもので、契約において役務の...