グローバル・ミニマム課税に係る今後の適切な実務対応
PwC税理士法人 デジタル経済課税対応チーム リードパートナー 白土 晴久
ディレクター 大森 紘一
1.はじめに
第2回では、グローバル・ミニマム課税に対応するための準備スケジュールを解説します。
構成会社等の所在地国ごとの実務上の負荷は、セーフハーバー・ルールの適用可否によって大きく異なり、また、セーフハーバー・ルールは複数ありますので、以下の「2.セーフハーバー・ルールを踏まえた実務対応」では、それぞれのセーフハーバー・ルールの概要および実務に与える影響を解説します。
また、セーフハーバー・ルールが適用できない場合には、グローバル・ミニマム課税の本則計算が求められますが、本則計算に必要な情報は多岐にわたるため、親子会社間の連携が必須となります。この本則計算の概要、初回申告までの一連の流れおよびスケジュール例を「3.初年度実務対応とスケジュール」で解説します。
なお、解説の単純化のため、実務上もっとも一般的なケースとして、3月決算の日系多国籍企業グループが、日本の最終親会社(以下、「親会社」)主導でグローバル・ミニマム課税対応を行うものとして、これ以降を解説します。
2.セーフハーバー・ルールを踏まえた実務対応
初年度対応にあたって特に重要なセーフハーバー・ルールは、CbCRセーフハーバー(以...