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インドGift Cityにおける税務等のインセンティブやその活用について

Ernst & Young LLP Partner Jaiman Patel
Ernst & Young LLP Director Jugal U Kajaria
EY税理士法人 Associate Partner 山口 哲男

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1.はじめに

インド政府は、インドを国際金融の中心にする野心的な構想を実現すべくInternational Financial Services Centre(IFSC)と呼ばれる金融サービス向けの経済特区を立ち上げている。2015年4月にグジャラート州に立ち上げられたGujarat International Finance Tech City(Gift City)がインド最初のIFSCである。特区の設立後10年を経過して、Gift Cityへの進出企業数は既に550社に達しており、さらなる増加が期待されている。本稿ではGift Cityのインセンティブ、進出業態、今後進出が期待される業態やインド政府の取組みについて考察を行いたい。

日系企業においては、インドでのファイナンス活動は規制もあり、金融サービスやグループファイナンスについて、インド向けの融資は、シンガポールや欧州といったオフショア拠点を経由して行うことが一般的であった。Gift Cityが今後、日系企業にとっても金融サービスやグループの財務活動の新たなオプションになりうるかは極めて興味深いポイントである。

2.インドIFSC/G...