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[全文公開] 国際税務の英単語 Transitional CbCR Safe Harbour(移行期間CbCRセーフ・ハーバー)

 公認会計士・税理士 佐和 周

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本連載は、国際税務でよく使う英語をピックアップして解説していくものですが、今回も 前回 に引き続き、グローバル・ミニマム課税(各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税)に関する用語です。

今回は、グローバル・ミニマム課税におけるセーフ・ハーバー( safe harbour )の1つ、「移行期間CbCRセーフ・ハーバー」という用語について解説します。英訳すると、 Transitional CbCR Safe Harbour です。

用語の構成を順番に見ていくと、まず、 safe harbour の部分は、 前回 確認したとおりの内容です。具体的には、グローバル・ミニマム課税では、一定の要件を満たす場合には、その対象会計年度のその構成会社等の所在地国におけるグループ国際最低課税額( Jurisdictional Top-up Tax )をゼロとみなせるような仕組みになっています。つまり、このセーフ・ハーバーが適用できれば、国別実効税率( jurisdictional Effective Tax Rate )などの煩雑な計算が不要になり、事務負担が軽減されるということです。

次に、 CbCR の部分は日本語でもそのまま使う用語ですが、 Country-by-Country Report の略で、「国別報告事項」を意味します。意味合いとしては、このセーフ・ハーバーが(主に) CbCR 上の項目を基礎とした数値要件になっているということです。

最後に、 CbCR Safe Harbour の前に付いている transitional は「過渡期の」という意味で、「移行期間(の)」という訳の部分に対応します。端的には、このセーフ・ハーバーが経過措置だということで、具体的には、2024年4月1日から2026年12月31日までの間に開始する対象会計年度において適用されます(この期間を Transition Period と呼びます)。

内容を見ると、移行期間CbCRセーフ・ハーバーは、以下の3つの要件のいずれかを満たす場合に適用可能とされています(その場合、その所在地国のグループ国際最低課税額はゼロとされます)。

①デミニマス要件( de minimis test

②簡素な実効税率要件( simplified ETR test

③通常利益要件( routine profits test

ちなみに、①の de minimis はラテン語で、「些細な」という意味です。上記のそれぞれの要件の内容は、次回確認したいと思います。