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税務調査における移転価格ポリシーの位置づけ

 税理士 石井 徹

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はじめに

移転価格ポリシーは、一般的には、企業グループ内における移転価格設定の基本方針や価格設定ルールを定めたものと解されていると思いますが、法令・通達等でその作成が義務化されているものではなく、また、内容も、必ずしも統一的なルールが確立されているとはいえず、企業グループによって異なるというのが現状ではないでしょうか。

本稿では、このような状況をふまえ移転価格ポリシーとローカルファイル等との関係を整理するとともに、調査官が移転価格ポリシーのどのような点に着眼するのかについても触れながら、調査対応という観点からの留意点について整理もしてみたいと思います。

なお、説明を簡潔にするため、以下、日本の親会社と外国子会社との間で行われる国外関連取引を想定して進めていきます。

1 調査における移転価格ポリシーの位置づけ

(1)企業ごとに異なる移転価格ポリシーの内容

冒頭で企業により移転価格ポリシーの内容が異なると述べましたが、実際に、移転価格調査において、調査官から「移転価格ポリシー」や「国外関連者との価格設定ルール」の提示を求められた場合において、企業側から示される内容は、移転価格税制への対応が十分に検討さ...