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金融取引に係る移転価格対応(下)~対価設定の簡素化とその適用条件~

外国法共同事業ジョーンズ・デイ法律事務所 弁護士・カリフォルニア州弁護士 大沢 拓

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本稿では、本誌の6月号に掲載された 『移転価格税制「親子間金融取引への実務対応」』アンケートの調査結果(以下「本アンケート結果」という。)に続き、本アンケート結果を参照しながら、金融取引の対価条件設定の簡素化 とその適用条件について検討する。なお、以下の議論は内国法人から国外関連者に対する金銭貸付を前提とする。

本稿の構成

1.金融取引における対価の設定方法

2.簡素化の方法と適用条件

(1)内国法人の調達金利を参照する方法

(2)内部取引の取引条件を参照する方法

(3)銀行見積りに依拠する方法

(4)格付けの便宜的評価

(5)更新期間の延長

(6)スプレッドの種類の絞込み

(7)相手国のセーフハーバーの参照

3.企業による簡素化の利用状況

4.各簡素化方法の比較

5.簡素化の利用上の留意点

6.おわりに

1.金融取引における対価の設定方法

簡素化の議論の前提として、わが国の移転価格税制上の金融取引の対価(貸出金利等)の設定方法を概観する。

独立企業間価格(以下「ALP」という。)の算定方法:独立価格比準法(CUP法)と同等の方法又は原価基準法(CP法)と同等の方法の適用を前提としている(特措法通達66の4(8)-5)...