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所得控除をマスターしよう!<3分で読める税金の話>

納税者が家族分の社会保険料、医療費、生命保険料などを支払った場合、控除を受けられるのでしょうか? 今回のコラムでは所得控除をご説明します。

社会保険料控除

納税者が自分自身の社会保険料(国民年金、国民健康保険、健康保険・厚生年金保険など)を支払った場合はもとより、納税者が生計を一にする配偶者、親族分の社会保険料を支払った場合も控除を受けることができます。生計が一であるかどうかは支払った時の現況で判断します。例えば子どもが年の途中で就職し、それに伴い転居し生計が一ではなくなった場合、生計が一であった期間(転居前)に親が支払った子どもの社会保険料は親が所得控除を受けることができます。

社会保険料控除は支払ったときに控除を受けられます。そのため去年の分であっても、2年前納制度を利用して納付した分であっても支払った年の控除対象となります(そのため、所得が低い年には無理して納付せず、次年度に納付する節税方法もあります)。

小規模企業共済等掛金控除

納税者が小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合には、その支払った金額について所得控除が受けられます。小規模企業共済やiDeCoなどが該当します。年金の上乗せ的なイメージがありますので社会保険料控除と同じように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらは納税者の分のみの控除となり、生計を一にする配偶者や親族などの掛金は控除できません。

生命保険料控除

納税者が生命保険料を支払った場合に控除を受けられます。この生命保険契約等については、その保険金等の受取人の全てがその保険料等の払込みをする者又はその配偶者その他の親族(個人年金保険契約等である場合は、払込みをする者又はその配偶者)でなければなりませんが、必ずしも保険料の支払者が契約者である必要はありません。納税者が契約者ではない証明書の場合、納税者が保険料を負担したことが明らかであれば納税者の控除にできます。

蛇足になりますが、配偶者の個人年金保険料を支払うことは可能ですし、生命保険料控除を受けることもできますが、年金受取開始時に贈与税が課されてしまうためあまりお勧めできません。

地震保険料控除

納税者又は納税者と生計を一にする配偶者や親族の有する家屋で常時その居住の用に供するものを対象とした地震保険料を支払った場合、控除を受けることができます。

一つの保険契約で地震保険と旧長期損害保険の両方の保険料を支払っている場合には、地震保険料もしくは旧長期損害保険料のどちらかのみの控除となるため、有利な方を選択する必要があります。また、不動産所得がある方は賃貸物件の分の地震保険料を控除しないように注意してください。

寄附金控除

ふるさと納税が代表選手ですが、寄附金控除は、納税者が寄附をした場合のみ控除を受けることができます。寄附金受領証明書の寄附者名が、生計が一である配偶者や親族などのものは控除を受けることはできません。

サラリーマンの方でワンストップ特例制度を利用しているが、住宅ローン控除の初年度のためや医療費控除などのために確定申告をする方は、寄附金控除についても確定申告書に記載しないと控除を受けられなくなりますので注意してください。

医療費控除

納税者又は納税者と生計を一にする配偶者や親族などの医療費を一定額以上負担した場合、控除を受けることができます。医療費が10万円を超えると医療費控除を受けられると覚えてらっしゃる方も多いのですが、総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%の額を超えると受けることができます。

年末に治療を受けた際にクレジットカードで支払い、引き落としが翌年度となった場合は当年度の医療費控除の対象となります。治療を受けたものの支払いをせず未払とし、翌年度に支払った場合、当年度ではなく、翌年度の医療費控除の対象となります。

医療費控除を受ける際には入院給付金や高額療養費、出産育児一時金などを差し引く必要がありますが、支給対象となった病気の治療費以上に入院給付金などが支払われたとしても、他の病気の治療費から差し引く必要はありません。

医療費の領収書の提出義務はなくなりましたが、確定申告書に健康保険組合などが発行した医療費通知もしくは医療費控除の明細書を作成し、添付することが必要です。

いかがでしたでしょうか? 確定申告時期に質問の多い所得控除をまとめてみました。これらの所得控除をもれなく間違いなく適用することが節税への近道となります。今回のコラムを参考に、今一度控除を受けられるかどうか確認していただけたらと思います。

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