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税金裁判の動向【今月のポイント】第209回 国外で組成されたパートナーシップに係る持分を外国法人に現物出資した場合の適格要件該当性

立命館大学法学部 教授 安井 栄二

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法人税法2条 12号の14によれば、完全支配関係のある親子会社間において現物出資が行われれば、それは適格現物出資となります。ただし、同号括弧書きにおいて「外国法人に国内にある資産又は負債として政令で定める資産又は負債の移転を行うもの」が適格現物出資から除かれています。そして、この「政令で定める資産又は負債」とは、「...国内にある事業所に属する資産又は負債」( 法令4の3 ⑨)とされています。

それでは、外国法を根拠に設立されたパートナーシップに係る持分は、「国内にある事業所に属する資産」に当たるのでしょうか。今回は、この点について争われた判決をご紹介しましょう。

事実の概要

医薬品の製造、販売等を業とする株...