※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

Selection Q&A CASE2 廃業と株式譲渡における課税関係及び資産負債の評価基準の比較

あがたグローバル税理士法人 税理士 多賀谷 博康
 公認会計士 稲垣 泰典

( 62頁)

Q 廃業と株式譲渡で異なる株主の手取額と企業価値評価

当社は製造業を営んでいますが、経営者が高齢となり、後継者不在のため、廃業することを検討しています。幸いなことに、資産を処分し銀行借入金を返済したうえで会社を清算することが可能です。他方で、事業自体は黒字を維持しており、M&Aにより会社を第三者に譲り渡すこと(株式譲渡)も可能のように思います。廃業と株式譲渡では、それぞれどのような課税が生じるのでしょうか。また、廃業と株式譲渡では会社の価値評価がどのように異なるのか教えてください。当社の状況は次のとおりです。① 貸借対照表 (単位:千円)資産簿価負債・純資産簿価現預金50,000買掛金30,00...