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税理士がチェックしたい 中小企業クライアントの就業規則のルール 第15回 賃金―1 (基本給、役職手当、家族手当)

 特定社会保険労務士 小野 純

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今回と次回にわたり、就業ルールの中でも特に重要な「賃金」を取り扱います。この賃金は、労働者から労働力の提供を受け、会社がその労働の対価として支払うものです。労働者の多くはこの賃金を頼りとして生活しており、会社としても固定費のうちの多くの割合を人件費(賃金)が占めているため、この賃金を正しく制度化し運用することで、労働者のモチベーションや生産性の向上、ひいては業績の向上につながるほか、会社費用の適正化を図ることも可能になります。

ただし、現在の労働者の賃金は入社時の労働契約によってすでに約束されており、土台には就業規則(賃金規程)が存在しますので、誤った運用や、勝手な不利益変更は大きな労働トラブル...