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税理士が顧客に説明したい財務分析 第4回 安全性の分析
公認会計士・税理士 久保 直生
公認会計士・税理士 高木 伸浩
( 64頁)
今回は、企業の安全性の分析について、代表的な指標として、流動比率、当座比率、自己資本比率、固定比率、固定長期適合率を利用した分析を解説します。
1. 安全性分析とは
企業が負っている借入金などの負債を期日に返済するのに十分な現預金などを保有して、債務の支払能力があることを「財務安全性がある」といいます。そして、その財務安全性があるかどうか、支払能力に心配がないことを分析するのが、財務安全性の分析です。
貸借対照表を使って、流動比率、当座比率、自己資本比率(株主資本比率)、固定比率及び固定長期適合率の代表的な安全性分析の指標を説明します。
2. 安全性分析の指標
(1)流動比率
流動比率は、流動負債に対して...