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税金裁判の動向【今月のポイント】第221回 資本剰余金の減少を伴う剰余金の配当におけるみなし配当の計算規定東京高裁判決

立命館大学法学部 教授 安井 栄二

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法人が他の法人から資本剰余金を原資とする剰余金の配当を受けた場合、法人税法24条1項のみなし配当の計算をすることになります。それでは、資本剰余金及び利益剰余金をそれぞれ原資とする剰余金の配当を同一日に合算して受けた場合、その全額が上記みなし配当の計算の対象となるのでしょうか。今回は、この点について判断をした最高裁判決をご紹介します。

事実の概要

X社(原告・被控訴人・被上告人)は、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの連結事業年度(以下「本件連結事業年度」といいます。)において、外国子会社であるA社から資本剰余金を原資とする1億ドルの配当(以下「本件資本配当」といいます。)及び利益剰余金...