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税金裁判の動向【今月のポイント】第222回 事前通知に手続上の瑕疵のあった税務調査と更正予知

香川大学法学部 教授 青木 丈

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税務調査によらずに修正申告書を提出した場合(いわゆる更正予知でない場合)には、過少申告加算税は賦課されないこととされています。そして、税務調査をするためには、原則として事前通知をしなければなりません。それでは、事前通知をしなければならなかったにもかかわらず、その手続を欠いたまま行われた調査によって修正申告書が提出された場合には、過少申告加算税は賦課されるのでしょうか。

今回は、この点について争われた事例をご紹介しましょう。

事案の概要

X社(原告、控訴人)は、平成28年7月に、平成27年6月1日から平成28年5月31日までの課税期間(以下「本件課税期間」という。)に係る消費税及び地方消費税(以下「消...