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税理士が顧客に説明したい財務分析 第7回 利益処分分析

 公認会計士・税理士 久保 直生
 公認会計士・税理士 高木 伸浩

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前回は、成長性の分析について取り上げました。今回は、利益処分分析及び当該分析で用いる指標について解説します。

1. 利益の処分

企業においては、利益の獲得が最大の目的になるかと思いますが、では獲得した利益はその後どのように「展開」、言い換えると「処分」されていくのでしょうか。

獲得した利益のその後の処分に関しては、大きく二つのパターンがあります。一つは、獲得した利益につき配当として社外に分配されること、そしてもう一つは、内部に留保されることです。内部留保された利益は、自己資本として新規の設備投資等に回されたり、借入金の返済の財源となったり、といった形で利用されていきます。

ここで、利益をどのように処分...