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事例から学ぶ 失敗しないための原価計算の基本 第12回(最終回) 原価計算による原価管理

 公認会計士・税理士 久保 直生
 公認会計士・税理士 髙木 伸浩
 公認会計士 鈴木 伽奈子

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最終回は、原価計算で得られた原価情報を利益管理に利用するCVP分析、伝統的な原価計算に対して、間接費をより適切に配分する方法として生み出されたABC及びABCによって得た情報をもとに間接費を管理する手法としてのABMについてご説明いたします。

1 CVP分析

1 CVP分析の意義

CVP分析とは、操業度(Volume:V)の変化によって、費用(Cost:C)や利益(Profit:P)がどのように増減していくかを見る分析手法です。それぞれの頭文字を取って、CVP分析と言われていますが、損益分岐点分析とも呼ばれています。

CVP分析は、過去のデータを用いて事後的に分析することが多いですが、次年度以降の予算...