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賃貸不動産オーナーのための トラブル解決対応 第8回 賃貸借契約締結時のトラブル―2

 弁護士 松浦 絢子

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第7回 では心理的瑕疵の概要や、心理的瑕疵にあたる具体的な事例を取り上げて説明しました。心理的瑕疵と呼ばれる事案が生じた場合、やはり一番問題となるのは説明すべきかそうでないかという切り分けです。その意味で、具体的にどのような事案で説明義務が発生するのかイメージをもっておくことは大切です。

もっとも、入居者への説明を尽くそうとするあまり故人や遺族のプライバシーを侵害することは避けなければなりません。このほか、実際に心理的瑕疵にあたる人の死が発生したときに、それによる損害をどこから補填するかという方法も賃貸オーナーにとって重要な課題です。

そこで、今回は、心理的瑕疵に関する問題の後半として、心理的瑕疵の...