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法人税 法人税重要事例検討:令和の判例・裁決例―9

 税理士 古川 浩二

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先月 に引き続き、法人税の実務において重要、かつ、誤りやすいと思われる事例について検討します。

今月は「「事実を隠蔽し」の意義」について取り上げます。

Q1 売上代金の決済方法を小切手に変更し売上高に計上しなかったことにつき隠蔽又は仮装の行為ではないとされた事例

当社(以下「X社」といいます。)は、紳士服、婦人服及び子供服の企画等を目的とする5月決算法人です。当社の取締役は甲(以下「甲代表」といいます。)が務めており、従業員である甲代表の妻乙(以下「妻乙」といいます。)と二人で事業を営んでいます。

令和2年9月に取引先であるF社からの受注がありました。その取引にかかる請求及び売掛金の回収は次のように処理...