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税金裁判の動向【今月のポイント】第249回 税理士顧問契約における賠償制限条項の適用の可否
広島修道大学法学部 教授 奥谷 健
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周知のように、税理士にはその業務について、職業責任として高度な善管注意義務が求められます。そして、その善管注意義務に反した場合に生じた損害については賠償責任を負うことになります。
しかし、顧問契約に際して、そのような賠償責任を制限する条項を入れていた場合に、その賠償責任は制限されるのでしょうか。今回はこの点が問題になった事例を紹介いたします。
事実の概要
A1社は、2015年に設立されたタックスヘイブンに本店を置く株式会社(資本金300万円)です。その100%子会社であるA2社は、シンガポールに本店を置く株式会社です(以下、A1社とA2社を併せて「A社」といいます。)。A社の代表者はいずれも、日本国...