※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

令和時代のリーガルリスクマネジメント 第10回 不正競争防止法の概要(後半)/営業秘密の漏洩対策

シティユーワ法律事務所 弁護士 近藤 祐史
 弁護士 奥田 崇仁

( 62頁)

高度情報化社会の発展により企業が保有する情報資産はより重要性を増してきています。その結果、営業秘密の不正流出が報道されることも多くなりました。

営業秘密は、一般的には、顧客名簿や新規事業計画、価格情報、対応マニュアルといった営業情報や、製造方法、ノウハウ、新規物質情報、設計図面といった技術情報といったものが挙げられます。最近報道された回転寿司チェーン店における事案では、退職した従業員が仕入れ値や原価率などの営業秘密を持ち出して転職先に開示し、転職先の会社においてその営業秘密を利用していたとされる事案ですが、当該事案では、当該従業員のみならず、当該転職先の会社も刑事訴訟の対象となり、営業秘密を侵害...