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税金裁判の動向【今月のポイント】第255回 賃貸借契約の解除に伴い第三者から受ける補償金の対価性

広島修道大学法学部 教授 奥谷 健

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周知のように、消費税の課税対象となる要件の1つに「対価性」があります。この対価性については、これまでもいくつかの事例で問題になってきました。今回はその対価性が、契約解除に伴って、契約当事者ではない第三者から補償金名目で支払われた金銭について認められるかが問題になった事例について紹介します。

事実の概要

原告は、店舗の賃貸等を目的とする法人C社(以下、「C社」といいます。)から土地及び建物を借り受けてパチンコ店を営む法人です。

C社は、かねてより、広島市内の土地(以下、「本件土地」といいます。)をその地権者ら(以下、同地権者らから所有権や共有持分権を承継した者を含めて「本件各地権者」といいます。なお、...