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Selection Q&A CASE3 個人診療所の新規開設に係る税務(償却費)

 税理士・行政書士 新矢 健治

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はじめに

個人診療所の新規開設にあたっては、一般的に、建物、内部造作、建物附属設備、医療用機器等で多額の設備投資が必要になります。また、開業準備に一定期間を要し、事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用(「開業費」)が生じます。これらは償却を通じて必要経費とされますが、償却の仕方によって税務上の有利不利が生じます。

本稿では、個人診療所の新規開設に係る償却費のポイントについて、解説いたします。

Q1 償却費計上の有利選択

私は、令和6年(2024年)1月に、個人にて整形外科診療所を新規開設し、業務を開始しました。減価償却資産や開業費(繰延資産)の償却費の計上に当たり、有利な方法を選択...