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税金裁判の動向【今月のポイント】第261回 路線バスへの業務委託と消費税

広島修道大学法学部 教授 奥谷 健

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路線バスは、道路運送法35条に基づき、自治体が運賃やダイヤの設定、車両導入や保有、停留所の設置など、経営上の責任を負っている路線について、日々の運送業務、整備管理など業務全般について委託することが認められており、これを管理の受委託といいます。この場合、自治体は委託料を支払うことになります。これにより低コストで運営を可能にし、住民の交通を守ることが期待されます。

しかし、この"委託料"について、その収益を受けて赤字を補填する金額で支払われる場合があります。このような場合、委託の対価として、消費税の課税売上になるのでしょうか。今回はこの点が問題になった裁決事例について紹介いたします。

事実の概要

請求人...