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附帯税に係る実務 第16回 重加算税―納税者の行為(法人税)―

 税理士 佐藤 善恵

( 56頁)

重加算税の賦課要件を定める国税通則法は、「納税者」を主語とした上で、その隠蔽仮装行為を要件としています。この「納税者」の解釈、範囲については頻繁に争いとなるところです。

今回は、重加算税の要件のうち「納税者」の意義について、特に法人が納税者の場合に焦点をあてて取り上げます。

Q1

不正行為を行ったのが役員である場合には、会社の行為と同視されますか。

 A1    はい。通常はそのように判断されます。

 解説 

例えば、令和元年6月20日公表裁決では、常務取締役等として対外的な営業業務を行っていた者の不正行為が問題となりました。この事例では、外注先に対して架空請求書を発行することを依頼した行為については、法人による行...