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令和時代のリーガルリスクマネジメント 第25回 賃料増減額の法的留意点

シティユーワ法律事務所 弁護士 近藤 祐史
 弁護士 鹿倉 佑太

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賃料は、賃貸借契約の根幹をなす非常に重要な要素であり、賃貸人(オーナー)にとっては賃料収入の増減は所有不動産の賃貸経営における最も重要な検討事項の1つであるといえます。近時、都市部を中心に不動産価格が高騰を続け、また、物価上昇等の経済情勢の変動の影響を受けて、賃料相場 が高騰しているところ、賃料増額(減額)請求は、継続中の賃貸借契約の賃料を適正な水準に是正するための非常に有益な手段といえます。

他方で、賃料増額(減額)請求は、賃借人(賃貸人)との間の任意の交渉による合意が奏功しなかった場合には、調停の申立てや訴訟の提起など複数の手続を講じる必要がある可能性があり、また、それらの手続きの中では不動...