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絶対まねてはいけない会計不正 正しい経理を行うために知っておくべき不正事例 第7回 海外子会社は不正の温床

 公認会計士・税理士 久保 直生
 公認会計士・税理士 髙木 伸浩
 弁護士・公認会計士 牧江 真弥
 公認会計士 鈴木伽奈子
 公認会計士・不動産鑑定士 高山 大輔

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企業における不正は後を絶ちませんが、その中でも海外子会社における不正の増加に歯止めがかかりません。これは不正そのものが増加傾向にあるのか、又は海外における不正を発見する仕組みが強化されたことによるものかは定かではありませんが、国内に比べて管理が難しいことは確かです。

今回は海外子会社における不正事案を紹介し、その管理の難しさと、不正を防止・発見するためのポイントを解説していきます。

1 海外子会社における不正の種類

本連載は会計不正をテーマとしていますが、まずは会計だけでなく、広く海外子会社で起こりうる不正の種類を紹介します。

(1)横領

会社の財産を着服し隠蔽する不正です。現金・預金や在庫のほか、有形...